2007年03月07日

なぜデス・マーチは無くならないのだろう?

開発側企業と顧客側企業とが明確に分けられるような開発、主に業務系開発において考察すると、デス・マーチによる損害は

開発側企業にとっては

  • コスト増による収益の大幅減少(たいていは赤字運営)

  • 社員のモラル低下、離職促進

  • 業界内での信頼性低下

  • 長期拘束により、他ビジネスへの参入チャンスが阻害される


顧客側企業にとっては

  • 大幅な提供遅延、それによる機会損失

  • 必要最低限すぎる機能、満たされていない要求

  • 使い勝手の悪いユーザ・インタフェース

  • ときに致命的なものもある、障害率の高さ


というところだろうか。

ビジネス的には開発側・顧客側双方にとって失敗となるデス・マーチ。
それなのになぜ無くならないのか?契約という視点からみると

  • 期限の大幅遅延はあるが、製品が納品された

  • 不足は感じるが、確認した事になっている機能は実装された


という状態により「契約履行」となり双方が痛み損となる事が、この状態の事の重大さを隠しているのではなだろうか。


要するに「まあ、こんなものだろう」という感じ、といったらいいだろうか。
ヘタに「それなりに動いてまあ使えなくもない」ものが納品され、「それなりの額」が納金されるため、双方が損失を損失として見なくて済むような状況・フィルターができあがっているように感じる。

しかし、デス・マーチの後には確実に損失が存在している。
posted by 未知夢 at 02:45| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | デス・マーチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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